delete
私は辛いことがあると、その周辺の記憶をdeleteしてしまう。
もちろん、今までの人生でいいことだってたくさんあったのだけれど、
「いいこと」だけを取り出して思い出すことができるほど器用ではないようだ。
幼稚園の頃から脱毛症になり、あっという間に全身の毛が抜け落ちた。
小学1年生からウィッグを使用していたが、オーダーウィッグとはいえ子供向けのものはなかったので、
不自然で当然周りにはわかってしまった。
いじめは中学校まで続いた。
その頃は家庭内も不和だった。
だから、小中学校の頃の思い出はdelete.
高校卒業後、浪人した。
どうしても行きたい大学があったので、現役で合格した友達を横目に、バイトしてお金を貯めながら必死で勉強した。
でも、行きたかった大学には行けず、滑り止めの大学に入学した。
最初の1年は大学を辞めたくて辞めたくて仕方がなかった。
そして、その頃付き合っていた人に捨てられた。
だから、大学に入学する前後の思い出はdelete.
その後、大学3年の時にやはり付き合っていた人から捨てられたことを引き金にうつ発症。
大学にほとんど行けなくなった。
だから、大学後半の思い出はdelete.
その後、何とか別の大学院に進んだ。
色々大変なこともあったけれど、研究に打ち込んで充実した2年間だった。
でも、最愛の彼と別れた。
(フリーページの「最愛の彼との別れ」参照)
大学院の思い出は彼との思い出だ。
だから、大学院の思い出はdelete.
こうして、過去を封じ込めながら、私は何とか生きている。